天明・天保の大飢饉から人々の飢餓から救った「のらぼう菜」
天保の大飢饉から人々の飢餓から救った「のらぼう菜」
「のらぼう菜」という野菜を聞いたことがありますか?
ウィキペディアで調べてみると、東京・埼玉あたりで栽培されている江戸東京野菜の一つと記されています。
私は西日本在住なので、あまりなじみのない野菜ですが、一度聞いたら忘れられないようなユニークな名前です。
「のらぼう菜」の由来には諸説あるようですが、江戸時代、やせたこの地の農民は何年もかけてアブラナを改良しこの地に合った春菜を作ったある日、代官が検分に来ることになり、村人は年貢が上がるのを恐れて寺の坊さんに相談に行ったそうです。
坊さんから知恵をもらった農民は、検分当日、代官から「あの畑に植えてある菜は何という名前だ?」と聞かれて、「野良で坊さんがボーと立っているような何の役にも立たない草でございます」と答えて、年貢を逃れたそうです。
「野良で坊さんがボーと立っている」ということで、この野菜の名を「野良坊菜」と呼ぶようになったそうです。
そんな「のらぼう菜」ですが、やせた土地でも栽培でき、簡単に増やせ、寒さにも強いとされ「天明の大飢饉」や「天保の大飢饉」の際に人々を飢餓から救ったと記録が残っています。