東京五輪を勝つためのマラソンレース「MGC」 女子マラソンの五輪有力候補は?
3月10日名古屋ウィメンズマラソンが終了して、
好コンディションの中で一気に5人がMGC出場権を獲得しました
かつては黄金時代を極めた女子マラソン界
このところ日本マラソン界は男女ともに不振を極めていますが、
女子マラソンに関しては、かつて4大会連続メダル獲得という輝かしい黄金時代がありました
*ここで流行語大賞にもなったあの名言が出た大会でした
「自分で自分を褒めたい」
特に、シドニー、アテネと金メダルを連続で獲得するほど、当時の女子マラソンの選手層は厚かったです
黄金時代から不振へのきっかけになったのは
2006年マラソン界に変化が起きました
それは、ワールドマラソンメジャーズが始まり高額賞金が導入されたことです
これにより、中距離専門だったアフリカ人選手が、こぞってマラソンに転向してきて、レベルが一気に上がったことが、日本女子マラソン界にとって逆風となりました
どれだけ不振を極めてしまったか?
それ以降のオリンピックでの女子マラソン最高順位は以下の通りです
2008年北京五輪 13位
2012年ロンドン五輪 15位
2016年リオ五輪 14位
これを見れば一目瞭然です
日本記録も、2005年野口みずき選手が 2時間19分12秒を記録して以来、破られていません
では、なぜ記録が出ないのか、
有森裕子さんの分析では
記録更新には、メンタルとモチベーションカギ
長期間記録更新がないと、現役選手に記録更新という意識が薄まる
これと付け加えて、今マラソンの結果を紹介するときに、日本人1位という表現にも苦言を呈していました
レース自体の成績がたとえ7位とか8位であっても、日本人1位と言われると、それだけでいい成績をあげたと感じてしまっているのではないかということです
これは、有森さんだけでなくても、心の中でそう感じている方は多かったのではないでしょうか
このところ女子マラソンより、男子マラソンが日本記録連発で動きが活発になってきました
1億円という賞金も1つの要因だったかもしれませんが、女子マラソンも何かのきっかけがあればと一気に動いてくる可能性は秘めていると期待しています
MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)とは
MGCとは、マラソングランドチャンピオンシップのことで、
東京五輪メダル獲得を目指し新設されたレースです
開催日は、9月15日(日)
男子が先にスタートして、20分後くらいに女子がスタートするそうです
参加基準を満たした選手しか出場できない、レベルの高いレースになることが予想されています
またペースメーカーがいないレースになるため、相当面白いレースになりそうです
過去の日本のマラソン史上にないレースだから、ものすごい見ものになること必至です
東京五輪出場枠決定は?
選考はとてもクリアでわかりやすいものになりそうです
東京五輪出場枠(出場枠は男女3枠)
1枠 MGC優勝者
2枠 MGC2位か3位
*今年の4月までに2時間21分を切ったら、MGC3位でも出場が決まります
3枠 MGCファイナルチャレンジ最上位記録者
*MGC終了後に3レース指定されています
一番早い記録だった人が、陸連があらかじめ設定されたタイムを上回っていることが条件で、もし上回らなかったら、MGC2位か3位の選手の出場が決まります
五輪出場には1回のレース結果だけではなく、安定性が必要
MGC本戦でさらに勝負強さを備えた選手が選ばれる
女子マラソン五輪出場有力候補は
ここまで14人がMGC出場権獲得しています
その中での自己ベストの上位は以下の通り
安藤友香 2時間21分36秒
福士加代子 2時間22分17秒
松田瑞生 2時間22分23秒
前田彩里 2時間22分48秒
MGC勝利のカギは、有森裕子さんが「もちろん記録は高い方がいい」と前置きした上で、
MGC本戦は記録ではなく、勝つことが求められる
オリンピックは勝った人が1番
勝てばいい
先に上げた自己ベスト上位者は五輪出場へ近い存在になるかもしれませんが、他の選手たちのここからの練習の積み上げでかなりの接戦が予想されます
あと、9月15日のまだまだ冬に比べれば、高い気温というコンディションも大きく左右しそうです
東京五輪も暑い時期でのレース
だからこそ、9月開催という選考レース
冬に強い選手ではなく、暑さに強い選手こそが代表に選考されると思います
私個人としては、天満屋の選手が代表になってくれないかと期待しています